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連濁と日本語-7 日本語の文法 活用形

 日本語には動詞・形容詞・助動詞のような活用のある用言と名詞・助詞・副詞等のような活用のない体言がある。活用は未然・連用・終止・連体・仮定 (文語では已然)・命令の六種の形に分けられている。

 未然形は外国人には「ナイ形」と教える。「勉強し-ない」「働か-ない」「分から-ない」「笑わ-ない」「払わ-ない」等否定形に使う。この場合大切なことは、ワ行の活用形は未然形にのみWが現れるということである。「歌い-ます」「歌う-時」「歌え-ば」「歌え」等の活用形にはWは現れない。ゐwiとゑweは、平安時代中頃までの日本語の発音にはあった。その後はなくなって、「わwa」と「をwo」のWは残った。wuはもっと古くになくなったらしい。

 連用形は用言に連なるときの形。連体形は体言に連なるときの形と学校の国語の時間に習った。しかし、連濁をみていく上で大きな間違いに気が付いた。それは、連用形は用言のみならず体言にも連なる大切な形であるということである。
「焼き-芋」「泣き-面」「賭け-事」「働き-蜂」をみると、「焼き~働き」は動詞の連用形である。外国人には「焼き-ます」「泣き-ます」「賭け-ます」「働き-ます」のように、「マス形」と教える。「芋-面-事-蜂」は名詞である。
「食べ-飽きる」「泣き-わめく」「照れ-臭い」「疑い-深い」は動詞の連用形が動詞や形容詞に連なったものである。これで分かるように連用形は、用言だけでなく体言である名詞にも連なる形である。連用形という名前がよくない。連用形は接語形とでもした方がよい。
では、連体形はどうであろうか。「行く年」「飛ぶ鳥」「黒い霧」「好い鴨」「青い鳥」「やる気」「引く手」等、特殊な言葉が多い。これも名詞に連なっているが、連体形とする必要があるだろうか?形は終止形と同じである。古文では終止形と連体形は違った。しかし、現代文は同じである。私はこれを終止形としてよいと考える。
何故連用形で接続しないのかは理由がある。それは連用形接続と意味の違いがある。これについては、次回で説明したい。
終止形は辞書を引くのに便利な形であり、連用形は一番よく使われる大切な形である。文中で一番よく現れる形は連用形である。連用形でひく辞書があれば、外国人には便利であろう。
by iwaoka2 | 2003-02-10 23:32 | 言葉のエッセイ
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