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「まだ」と「もう」

 「まだ、八時です」と「もう、八時です」。日本人ならこの違いが説明できなくても、分かっている。「まだ、早い」「もう遅い」も同じである。話す人が予想したり予定した時間を基準にして、早い時に「まだ」を使い、遅い時に「もう」を使う。
しかし、「まだ、来ない」「まだ、来る」「もう、来ない」「もう、来た」「もう、来るでしょう」となると、ややこしい。
「まだ、~ない」は動作が未完了であることを表す。
「まだ、来る」は既に来ている人(物)もいるが、これから来る人(物)もいる。
「もう、来ない」は、これ以上は来ない。「もう、知らないっ!」も同じ。
「もう、来た」は動作が完了したことを表す。「もう、お腹がいっぱい」と同じで、「すでに」という意味である。
「もう、来るでしょう」は「間もなく」という意味である。
ふだん何気なく使っている「もう」には、いろいろな意味がある。

 留学生の朝は忙しい。遅くなってもシャワーは入念に浴びて、ドライヤーで髪をしっかり整えて、それから朝食である。「もう、八時です」「もう、八時十分です」と、連続「もう」「もう」と牛の鳴き声である。
この「もう」には、「もう一杯、いかがですか」「もう一度、行きたい」のような使い方もある。これは、「更に」という意味である。
by iwaoka2 | 2003-07-10 23:30 | 言葉のエッセイ
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