アメリカ人留学生R君は日本語がとても上手である。来日早々、全く英語の補助なしに、会話ができる。日本語のクラスも一番上のクラスである。一ヶ月たっても彼は英語を話したことがない。私は「R君、本当に英語が話せるの?」とからかっていた。そんな彼が関西に旅行した。大阪の電車の中で人々が話す日本語が、全く分からなかったという。「おいでやす」「しんどい」「なんぼ?」「あかんねん」「儲かりまっか?」「ぼちぼちどす」等、留学生にとっては第三国語のように聞こえる。
日本人はテレビのドラマやお笑い番組などで、関西弁はおなじみである。 関西人はどこでも平気で、関西弁で話す。その他の地域の人は、あまりお国言葉を公の場では話さない。それは何故か。 日本の首都は、千年以上も関西であった。高い文化や歴史的文化財は京都や奈良・大阪に多く残っている。そのことに、人々は自信と誇りをもっているので、無理に標準語を話そうとはしない。関西弁といっても京都・大阪・神戸それぞれ少しずつ異なる。しかし、これらのアクセントはほぼ同じである。東京の言葉に対して、関西の言葉のアクセントは逆になることが多い。「雨」と「飴」、「雲」と「蜘蛛」、「橋」と「箸」の区別は難しい。 地域の歴史や文化が籠められた地方の言葉は、味わい深いものである。
by iwaoka2
| 2005-01-11 23:28
| 言葉のエッセイ
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外国人の話す愉快な日本語から、我々日本人がこれまで気がつかなかった日本語の特徴が分かることもあります。国語学界の謎といわれた「連濁の法則」も、ほぼ解明できました。
言葉は時代とともに、変化します。日本人の日本語も?が多くなりました。 カテゴリ
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