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置手紙

留学生が置手紙を残して出掛けた。「友達の家にでかけました。八時頃帰る」この手紙を書いた時はまだここに居るのだから、「……でかけます」でよい。英語では相手の立場になっていうので、相手が手紙を読む時自分はもういない。それで、「でかけました」となる。日本語では自分本位で話をするので、手紙を書く時その動作が完了しているかどうかが問題となる。


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岩岡 登代子(April,03 2000)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:48 | 言葉のエッセイ

めんどくさい日本語

   日本語を勉強している外国人にとって、面倒臭いのが敬語と謙譲語。それと普通の言葉と一つの言葉に三種類の表現がある。「あなたはいらっしゃいますか?」「私はいきます」「私もまいります」。間違って「私もいらっしゃいます」という学生もよくいる。要領よく勉強したい学生は、いくつものスタイルは大変だからと敬語だけ憶える。普通の言い方は普段の生活でよく耳にするので、自然に憶えられる。それで結構きちんとした日本語が話せる。ところが、テストとなるとメタメタ!敬語を普通の言い方に変えられない。それでもいい。勉強がきちんとできなくてもコミュニケーションはとても上手にできる。
「やる」「もらう」「あげる」「くれる」などの使い分けは外国人にとって難しい。日本人でも「猫に餌をあげる」「犬が亡くなった」と言っている。よく勉強する学生はすぐにマスターする。しかし、日本語はそう簡単ではない。「手伝ってあげましょうか」「見てあげましょうか」とすぐ使う。「~てあげましょうか」は敬語ではなく、失礼な表現であるから気をつけるようにと教える。何故外国語を勉強するのか。言葉はコミュニケーションの道具である。文法よりも暖かい心があれば充分である。



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岩岡 登代子(June,14 2000)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:48 | 言葉のエッセイ

調味料も敬語も使いすぎに注意

  最近気になる言葉がある。テレビで何かを作りながらの説明。
「角を内側に折ってあげて・・・・」
「鍋に出し汁を入れていただいて・・・・」
「ドレッシングをよく混ぜてあげて・・・・」
より丁寧な表現をしようと思うのか?こんな時は
「角を内側に折って、・・・・」
「鍋に出し汁を入れて、・・・・」
「ドレッシングをよく混ぜて、・・・・」
の方が簡単で解りやすい。



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岩岡 登代子(Aug.28. 2000)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:48 | 言葉のエッセイ

不倫トン大統領

 日本の経済が悪くなるとともに、モラルも地に落ちた。社会のあちこちから膿が吹き出している感がある。役人は上から下まで無責任。大きな銀行の責任者は破産に至った責任感もなく、国民の血税を使う。いろいろなニュースを若い人達はどんな思いで受けとめているのだろうか。日本の「恥を知る」文化はどこかに忘れ去られた感がある。ご先祖様に顔向けできない。
辞書に「面黒い」という言葉があった。江戸時代、面白いの反対の意味を洒落たのである。ニュースで騒がれた彼らは「面黒い」。留学生たちもクリントン大統領のことをフリントン大統領といっていた。


 学生時代私の友人たちは、皆眼鏡のお世話になっていた。眼鏡なしでは何も見えない。それで、いつも私が眼鏡代わりとなる。「あなたは目だけ良いんだから」とやたら「だけ」を強調した。私は「目もいいし、若さと美貌もある」というと「バカさとビンボウでしょ!」
数十年前の写真を見た友人が「これ誰?」「わたし!」「あなたって、写真うつりがいいのね!」
「そうそう、クロアチアからスロベニアに汽車で入る時もパスポートの写真がよすぎたので疑われたわね!」どうぞご自由におっしゃい。


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岩岡 登代子(March,10 2000)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:47 | 言葉のエッセイ

曖昧と明晰

 西欧人からみると「日本語は曖昧で何を言おうとしているのか分らない」と言う。イエスともノーともとれる表現が多い。「如何なものでございましょうか」「会社を退職することになりました」などは理解に苦しむ。会社からリストラされたのか自分で辞めると決めたのか。「いいけどー」にいたっては「いい」と言ったということになる。自分の意見をはっきり言うと嫌がられる社会なのだ。中国人からみると「日本語はあまりにも明晰すぎる」と言う。

 中国人は議論しなければ生活できない。議論好きでおしゃべり。日本人は長い間、文字はなく伝承以外ものをのこす方法を知らなかった。そこへ大量の中国の古典が流入した。涙と汗、そして口角からふき出された多量の唾とで獲得さるべき「結論」が、簡単に目の前にあった。獲得への努力がほとんどゼロのうちに。 記録された結論も大切であるが、それよりも重要なのは、記録されるにいたった過程であろう。中国人は歩きながら、道しるべを立ててきた民族で、日本人は道しるべを頼りに歩いてきた民族である。日本人にとって、「結果」は大切なもので、それがなければ、ことばさえ使えない。結果がはじめから要求される。話すまえに結果がわかっており、ニュアンスも吟味するまでもなく、ことばの表面にぜんぶ出ている。人びとは議論を尊重せず、おしゃべりを軽蔑するようになった。  陳舜臣著「日本人と中国人」より

「私が行く」他の人も行きたいかもしれないが。他の人を差し置いて。
「私は行く」他の人が行くかどうか知らないが。
「私も行く」他の人が行くが。他の人が行くので。
「が」「は」「も」で、こんなにも多くの中味を物語っている。「この仕事を12時まで、やってください」「この仕事を12時までに、やってください」
前者は12時までずっと仕事を続けなければならない。後者は完成すればよいので、いつ止めてもよい。
「京都に着くまで、ビールを飲んでください」「京都に着くまでに、ビールを飲んでください」あなたはどっちがいい?
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:47 | 言葉のエッセイ

証明写真

 またまた誕生日がやってくる。運転免許証の書き換えに石神井警察署に行った。写真のフィルムがたくさん余っていたので、白い壁の前で帽子も被らず、何枚も顔の写真を撮った。一番美人に撮れている写真を持って行った。そこで、女性警察官に言われた。これは証明写真ではない。インスタント写真でもよいから、証明写真を持ってくるように。「何故これがいけないのですか?」と訊ねると「これはスナップ写真だから駄目です」という。「もしこれを証明写真のサイズに切っていたら、証明写真とスナップ写真の区別は何故分るのですか?」と訊ねたが「それは分らないが、スナップ写真は駄目です」の一点張りであった。難しい就職試験より常識が大いに求められるこの頃である。


 また、別の運転免許証の書き換えに行った時、受け付け3番と書いてあるのでそこに行った。警察官が座っている前の台に行ったが、こちらを向いている彼は全く知らん顔。はて?私は間違えたのかなと思って、もう一度受け付けと書いてあることを確かめておそるおそる「お願いします」といった。警察官はロボットのごとく、横柄に書類を受け取った。電車やエレベータなどうるさい位機械でのアナウンスがあるが、警察官はしゃべらないのかも。


 最近の警察官の不祥事があれこれ表沙汰になったが、氷山の一角と感じられる。交番の多くの親切なおまわりさんには気の毒だが、警察署に移ると人間が変るのだろうか?



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岩岡登代子 (February 12, 2000)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:46 | 言葉のエッセイ

青と緑

 ニュージーランドから仕事を求めてやってきたD嬢、語学スクールで英会話を教えたいと何度か面接に出掛けた。しかし、なかなか決まらなくて不安になってきた。そこで私は慰めた。日本人が考えるガイジンのイメージは「ブロンドヘヤーにブルーアイズ」。貴方はその通りだから大丈夫よ。一瞬喜んだ彼女「オー ノー、私の眼はグリーンなの」と言う。日本人は信号も眼の色も「青」と言うが「緑」とは言わない。英語のグリーンも必ずしも日本語の緑ではない。二週間後、D嬢はめでたく語学スクールで英会話を教え始めた。
 日本人はブロンドヘアーにブルーアイズであれば喜んで高額の月謝を払ってくれる。中には、自分はブロンドヘアーにブルーアイズ、身長185センチだから、月謝は一時間五千円以上!という外国人もいるとか。それ以上に優秀で親切な外国人でも、アジア系の顔をしていると採用の時あまり歓迎されない。人間は外見ではなく中身が大事なのに。

 日本語では青りんご・青桐・青葉・青草・青梅・青海苔・青汁・青大将などというけれど、実際は緑色をしている。広辞苑の青の項には(一説に、古代日本語では、固有の色名としては、アカ・クロ・シロ・アオがあるのみ。…… また、ある語に冠して「若い」「未熟の」の意を表す語)とある。
 古い日本語では、緑は青の一部であった。青りんご・青葉・青梅・青田(刈り)等は緑色をしているし、「若い」「未熟な」という意味もある。青二才が青息吐息でホームページを書いている。
緑の黒髪は、つやのある美しい黒髪。緑啄木鳥アオゲラは、きつつきの一種。緑鳩アオバトは、はとの一種で体は緑色。青毛アオゲの馬は、灰色がかった白色をいう。

 英語をみると、blue Monday のブルーは「憂鬱な」、blue film のブルーは「わいせつな」、英語のブルーにはあまりよい意味がなさそうである。一方 green には日本語の青と同じように、若い・新鮮な・元気なという意味があり、in the green は「血気盛んな」という意味である。



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岩岡 登代子(December 12, 1999)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:45 | 言葉のエッセイ

「さん」と「様」 2題

富士様
 少し太めの陽気なA嬢、私が手紙を送るのに名前の下に「様」と書いているのを見て、それはなにかと聞いた。
手紙の時は丁寧な方がよいので、「・・・さん」ではなくて「様」と書くと説明した。
 数日後、彼女は「来年の夏、富士様に登りたいです」といった。
富士山は神様のような山だと日本人は思っているから、富士様はとっても良い言い方だと思う。だが富士さんの「さん」は山という意味で鈴木さん・伊東さんの「さん」とは異なることを説明した。
今夜は富士山の夢でも見ようかな。


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岩岡 登代子(January 12, 2000)

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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:45 | 言葉のエッセイ

高イヤーってなに?

 韓国系アメリカ人のK嬢は、とても語学に優れたマルチ リンガルな学生。
最初の二カ月は英語で話していたのに、突然日本語を話し始めたら、もう日本人かと思う位上手。助詞は正確だし発音も滑らか。聞いてみると韓国語と日本語の助詞は殆ど同じなのでやさしいとのこと。大学の友達とは英語で、ボーイフレンドとはスペイン語で、韓国人には韓国語で、日本人には日本語でペラペラ話す。うらやましーい!


 車で高速道路を走っていた時の事、「お母さん、高速道路は高イヤーですね」と言う。
はて?さて?と思ったが、あっそうかー。 彼女は英語の形容詞の比較級を考えて形容詞+er → higher それで高イヤー!日本語には形容詞の比較級・最上級に当たる語の変化はない。ちょっと高い、とても高い、などと言う。


 ちなみに英語ではhighは一般に高低の高さに使い、値段の高さにはexpensiveを使う。


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岩岡 登代子(September 1, 1999)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:44 | 言葉のエッセイ

紛らわしい言葉

「I'm going to 日光 トゥダイ」

 英国人のD君は魚が嫌い。特にツナは苦手だとか。初めてみそ汁を出した時、これは何だー?とばかりクンクンと臭いをかぎ、おそるおそる舌でなめてみて「フィッシーだ」とのたまった。辞書には「fishy-魚臭い・あやしげな」とあった。 肉族と魚族の違い!
 しかし、D君の英語には我々が昔昔中学・高校時代に習ったあの懐かしい英語が聞ける。
時間をいう時、アメリカ人は「Ten thirty」、イギリス人は「Half past ten」。歩道は「sidewalk」と「pavement」。イギリス人の発音は異う。Aは「アイ」と発音する。OKは「 オー カイ」となる。
「I'm going to 日光 today」をアメリカ人が言えば「今日 日光にいきます」 と解釈するが、 イギリス人が言うと「私は日光に、死にに行きます」と解釈して、慌てる。華厳の滝は自殺の名所?だった。
私がテームズ川と言ったらタイムズ川と直してくれた。テームズ川とタイムズ スクウェアを発音してもらったら確かに微妙な異いがあるようだが、別々に聞けば私には区別がつかない。
D君は築地の魚市場に行った時も、腕で鼻を押さえていた。「Fishy!」




びよういんで頭を切る

 日本語がとても上手なW君に、ついうっかり「これからびよういんに行って頭を切ってきます」といった。W君はびっくりして「どうしたの?」と聞いた。「髪の毛が伸びたので・・・」といったら、なあんだーといった。W君は病院に行って頭の手術をするのかと思ったそうである。
病院と美容院 叔母さんとお祖母さん。お若い叔母さんにお祖母さんといっては大変!
牛乳と乳牛、 可愛いと怖い、 花と鼻、 橋と箸まぎらわしい。




おいしそう!

 料理をつくっていると学生が台所に入って来て、おいしそうという。 そう、その「そう」の使い方はとってもいいわよといったら、喜んでこの服は大きそう、この魚はまずそう、外は暑そう、テーブルの上のトマトを見てかわいそうといった。 ストップ! 可愛いそうだけはだめ。
「そう」とはどういう意味か? 実際はどうかわからないが「そのように見える・思う」という意味だ。そうするとおいしそう・大きそう・暑そう・強そう等は実際に食べたり、着たり、外に出てみれば判ることであるが実行する前に感じたことを言う。
 「可愛い」は意味の上で、その語自体に見える・思うという意味が含まれている。だから「可愛い」だけでよい。この「そう」は文法的には接尾語といわれ、他の言葉の後ろに付いてその状態を推量する。「かわいそう」は一語で、形容動詞「かわいそうな人」などと使う。「可愛い」とは意味が違う。



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岩岡 登代子(October 4, 1999)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:44 | 言葉のエッセイ