生と死 「胞衣エナ」

 人は母の胎内からオギャーと生まれ出てくる。その時、後産と呼ばれる胎児を包んだ膜と胎盤が娩出される。それを「胞衣エナ」という。
人はあの世から、この世に生まれてくるのである。胞衣はあの世の名残であるといわれている。
人は一生を終えて、あの世に逝くのである。仏教で言う他(の世)界である。
この胞衣は自宅でお産をした頃は、大切に扱われていた。
今では、病院から退院する時に、乾いた「へその緒」が渡されるだけである。

 「胞衣は胎児の生育にとって不可欠のものであり、古来、いろいろな民間習俗、信仰の対象とされてきた。
この胞衣は地中に埋めるのが一般的だといわれている。
昔は産小屋を作り、そこでお産をし、胞衣は壺に入れて、丁重に地中に埋めた。地中に埋めるのは、赤子が地中から生まれ出てきたから、地中に胞衣を返すという考えからである。エナと生児の成長の関係は、その延長上として死の観念でも表出する。人は死ぬと又土に返る。
  
 その時、生まれた子供の健やかな成長や幸せを祈って、いろいろな物をいっしょに入れた。埋める場所は、人によく踏んでもらう所(土間の上がり框カマチや敷居の下等)と、踏まない所(産室の床下、便所や厩ウマヤのそば、墓等)の2通りがある。男女によって埋める場所やいっしょに埋める物が異なる場合もある。
胞衣は世界の諸民族を通じて、その扱い方しだいで生まれた子供の一生を左右すると信じられている」小学館スーパーニッポニカ より 
[PR]
by iwaoka2 | 2008-07-20 22:25
<< タイトル一覧 「生」と「死」を表す言葉  >>