「さん」と「様」 2題

富士様
 少し太めの陽気なA嬢、私が手紙を送るのに名前の下に「様」と書いているのを見て、それはなにかと聞いた。
手紙の時は丁寧な方がよいので、「・・・さん」ではなくて「様」と書くと説明した。
 数日後、彼女は「来年の夏、富士様に登りたいです」といった。
富士山は神様のような山だと日本人は思っているから、富士様はとっても良い言い方だと思う。だが富士さんの「さん」は山という意味で鈴木さん・伊東さんの「さん」とは異なることを説明した。
今夜は富士山の夢でも見ようかな。


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岩岡 登代子(January 12, 2000)




とうびんさん
 香港から来た留学生、海外に出たのは初めての彼女、とっても緊張していました。私達が質問すると、「はい、いいえ」「はい、いいえ」を繰り返していました。
それでも一ヶ月もすると色々の言葉を覚え、話すようになりました。
 ある日のこと、学校で自己紹介をして「私は香港から来ました、とうびんさんです」と挨拶しました。そしたら先生が「自分の名前に、さんはつけません」といい、もう一度やり直しさせられました。「私は、とうびんさんです」と言っても先生はなかなか理解してくれず、とても時間が掛かりましたと話してくれました。
それを聞いて皆で大笑いしました。彼女の名前は「陶敏珊」なのです。


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武富 千津子(January 12, 2000)
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by iwaoka2 | 2001-01-01 23:45 | 言葉のエッセイ
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