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日本語の本来の意味と派生

 日本語は形容詞の語彙が少ない。そのため言葉の本来の意味から派生した別の意味が多く出来た。「首を長くする(まだかまだかと待っている)」「足を伸ばす(更に遠くまで行く)」。これらは本来の意味は簡単だが、もう一つの意味は外国人には難しい。日本語には、そのような例が多くある。
人間の身体を表す言葉から、身体以外の意味も多く生まれた。「頭」だけを見ても、多くの言葉が出来た。
頭が上がらない 対等に振舞えない。「妻にー」  
頭に入れる  しっかりと記憶する。 「仕事の手順をー」  
頭が痛い   困った事が起こり、悩む。 心配になる。「教育費の山にー」  
頭に浮かぶ  眼前にないことが頭の中に思われる。 「亡き父の顔がー」
頭打ち    限界に達して、それ以上のびないこと。 
頭が重い   困ったことがおこり心配する。  
頭を押さえる 相手の力を抑制する。  
頭を抱える  どうしていいかわからず、困りはてる。 「ニートの息子にー」 
頭を掻く   失敗を恥ずかしく思う様。     
頭数     必要な人数。  
頭から    はじめから。   
頭が切れる  頭の回転が早く、判断力がある。
頭にくる   かっと怒ること。 「満員電車で些細なことがー人も多い」
頭越し    間に立つはずの人を差し置いて、直接相手に働きかけること。
頭ごなし   人の言い分をよく聞かずに、一方的に叱りつけること。
頭が固い   融通がきかない。  
頭が軟らかい 柔軟な発想が出来る。 
頭金     分割払いの最初の支払い  「マンションのー」
頭が下がる  人の立派さに感心し、尊敬する。 
頭出し    録音や録画テープ等の必要な部分の最初の部分を探し出すこと。
頭でっかち  知識や理屈ばかりで行動や人間性が伴わない人。
頭に血がのぼる かっとして分けがわからなくなる。 
頭を突っ込む 趣味や仕事の仲間に加わる。 「あの人は何にでもー」
頭が低い   他人に対して謙虚である。  
頭をひねる  いろいろ考え込む。  「経費削減にー」  
頭を冷やす  興奮をさます。  冷静になる  
頭が古い   考え方が古く、今の時代に合わない。  
頭を丸める  出家する。  
頭をもたげる 力をつけて世間に知られるようになる。   
頭割り    勘定を均等に人数で割る。 割り勘。  
頭の上の蝿も追えない  自分自身の始末もできないこと。
頭の天辺から足の爪先まで  上から下まで、全部。  
「頭」からいろいろな意味の言葉が生まれたが、良い意味の言葉が少ない。
「頭が切れる」も良い意味ばかりでなく、悪賢い意味にも使う。褒め言葉がほとんどない。
「頭が下がる」「頭が低い」と下がったり、低いことが良い意味に使われる。日本人の古くからある美徳の考え方である。
by iwaoka2 | 2008-01-20 23:45
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